認証工場と認定工場の違い
自動車整備士が働く場所として、最初に候補にあがるのが自動車整備工場です。では、整備工場の種類である認証工場と認定工場にはどういう違いがあるのでしょうか?
これら二つは名前こそ似ていますが、できる業務など異なる場合があります。
まず認証工場とは、「特定整備」または「分解整備」と呼ばれる、エンジンやブレーキなどの安全に直結する部分の整備ができる「認証」を受けた工場のことです。全国に9万軒ほど存在しており、点検やそれに伴う整備などが可能です。認証を受けていない整備工場で特定整備や分解整備を受けた場合は、違法整備となります。
認証を受けた工場かどうかは、標識で見分けることができます。黄色、もしくは緑色の「自動車特定整備事業」と書かれた標識が掲げられていれば、その工場は認証工場ですので、安心して車の整備を任せられますね。
一方認定工場とは、整備技術の向上を図って作られた制度で、設備や技術、管理組織などが優良であるという「認定」を受けた工場のことです。自動車整備をするにあたって、必ず受けなければならないものではありませんが、認定基準を満たした優良な工場であることをアピールできます。認定には種類があり、中には認証工場でなくても受けられる認定もありますので、認定を受けている工場が必ずしも認証工場であるわけではありません。
認定を受けた工場かどうかは、「優良自動車整備事業者」と書かれた白い標識を掲げているかどうかで判断できます。
優良自動車整備事業者の認定の種類
現在、優良認定の種類は以下の3種類です。
①一種整備工場の認定
②二種整備工場の認定
③特殊整備工場の認定
さらに③特殊整備工場の認定は、作業区分によって車体整備作業(一種・二種)・原動機整備作業・電気装置整備作業・タイヤ整備作業の5つに分けられます。
認定を受けるためには、事業場の大きさや設備、従業員の人数などの規定があり、それらを満たした上で都道府県の運輸支局に申請する必要があります。
指定工場では車検ができる
指定工場というのは、認証工場の中でも工場内で車検をすることが認められた工場です。一般的には「民間車検場」と呼ばれています。指定工場が占める割合は、平成元年頃は25%程度でしたが、現在は約30%程度で年々上昇傾向にあります。
認証工場でも車検の受付をしている工場はありますが、認証工場内には車検の設備がないため、運輸局に持ち込んで検査をしてもらわなければなりません。そのため、車検を終えるまでに時間がかかることもあるのですが、指定工場であれば工場内で車検ができるため認証工場に比べて早く車検が終わる可能性が高いです。整備士の仕事内容としても、車検がメインになるでしょう。
指定工場として認められるためには、人員や設備について認証工場よりも厳しい基準を満たす必要があります。特徴として、「自動車検査員」と呼ばれる、車検が問題なくできているか検査する資格をもつ人が最低1人いなければなりません。
指定を受けた工場かどうかは、青い「指定自動車整備事業」と書かれた標識が掲げられているかで確認することができます。車検をする際にはぜひご参考にしてください。
仕事内容の違いは?
認証工場と指定工場でどのようなことができるのかについては前の章で述べました。では、整備士として勤めた場合、仕事内容はどのように異なるのでしょうか?
認証工場では、多くの場合、分解整備や特定整備が主な仕事内容となるでしょう。具体的には、法定点検やそれに伴う整備、不具合の診断や修理、鈑金塗装などの業務があります。
指定工場は、認証工場でできる業務に加えて車検ができるので、整備より車検をメインにしている工場も多いです。もちろん点検や整備も行いますが、車検がメインの工場の場合、故障や不具合を直すというよりは車検に通すための整備が多くなるでしょう。
最後に
以上、認証工場と認定工場、指定工場の違いと役割についてご紹介しました。この記事を読まれた方は、自動車整備士の魅力とは?仕事のやりがいを解説!も一読することをおすすめします。
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