自動車整備主任者とは?
自動車整備主任者とは、自動車分解整備事業者が行う分解整備の作業内容が、国の定めた保安基準に適合しているかどうかを検査し管理する人です。
自動車整備士が行う車の診断や点検・分解・組立・修理・調整などの基本的な技術を習得した上で、所属の会社・事業場から主任者の選任(任命)が行われます。資格ではなく役職のため、試験などはありません。
では具体的に、どうすれば自動車整備主任者に選任されるのでしょうか?選任されるためには、3つの条件を満たす必要があります。
自動車整備士の主任者になるには?
自動車整備士における整備主任者は、国からの認証を受けている整備工場から選任されます。認証を受けた整備工場において、自動車整備士は欠かせません。整備主任者もまた、不可欠な存在になります。
整備主任者になるために必要な資格は、基本的に以下の7つのうちいずれかです。
・一級小型自動車整備士
・一級大型自動車整備士
・一級二輪自動車整備士
・二級ガソリン自動車整備士
・二級ディーゼル自動車整備士
・二級二輪自動車整備士
・二級自動車シャシ整備士
主任者の選任基準は以下の3つです。
・上記の整備士資格のいずれかを保有している
・会社から選任され、各都道府県の運輸局に届出が受理されている
・新規整備主任者特別研修を修了している
整備主任者になるメリット
整備主任者になる一番のメリットは、やはりさらに上位の資格である自動車検査員へのキャリアアップが狙えることでしょう。自動車検査員は指定工場であれば1人以上は確実に必要な役職ですので、取得すれば職場に欠かせない人になれますし、転職の幅も広がります。
整備主任者選任要件の注意点
整備主任者になるために必要な資格は、所属する工場が取っている認証の種類によって異なります。選任されたいと思っている場合、自分の勤める工場の得ている認証が「分解整備のみ」か、「電子制御装置の整備を含む特定整備」か確認しておきましょう。
特定整備の認証を取得している工場の場合は、1級自動車整備士(二輪を除く)の資格を取得しているか、1級二輪自動車整備士もしくは2級自動車整備士資格に加えて「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習」を受講し、試験に合格する必要があります。
また、所属している事業所がエンジン部分を対象とする分解整備を行う場合は「2級自動車シャシ整備士のみの所持」は不可となっています。自動車検査員を目指す場合にも、2級自動車シャシ整備士では受験資格を満たさないため、検査員へのキャリアアップを狙う場合はシャシ以外の資格も取得しておくのが無難です。
主任者の届出について
自動車整備士の主任者に選任された人は、届出を行わなければなりません。地方運輸局などの窓口に、二級以上の自動車整備士資格を所有している証明ができる書類を持参して申請を行ってください。
所有資格を証明する書類は、合格証書や整備士手帳のコピーでも問題ありません。
届出が地方運輸局で受理されると、主任者の手続きは完了です。主任者になると、分解整備の作業管理や整備後の確認、整備記録簿の記載、保存が主な業務内容となります。
主任者として業務を続けていくためには、年に一回「自動車整備主任者研修」を受講しなければなりません。自動車整備主任者研修には、整備主任者法令研修と整備主任者技術研修があり、法令研修は整備主任者全員が、技術研修は各整備工場につき1名以上の整備主任者が受講する必要があります。研修を受講しなかった場合は後日、整備工場に対して立ち入り検査を行われる可能性があります。
最後に
以上、自動車整備主任者について解説しました。この記事を読まれた方は、ディーラーで働く整備士の話!仕事内容についても解説も一読することをおすすめします。
最後になりましたが、弊社ダイバージェンスでは自動車業界で働きたい「自動車整備士」「自動車検査員」向けの求人情報を多数扱っております。
自動車業界に精通したキャリアアドバイザーが、応募書類の書き方や面接の心構えなど様々な面でのサポートをいたします。未経験可の求人も多数ありますので、他業種からの転職になる方もぜひお気軽にご相談ください。