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自動車検査員と自動車整備士はどう違う？
自動車整備士は国家資格で、主な仕事は車を点検・整備・修理することです。新車・中古車の納入時、車検など定期点検時に行う点検などをはじめとして、故障車や事故車を含む車の故障個所の修理も整備士の仕事です。
自動車検査員もまた、自動車整備士と同じく国家資格ですが、仕事内容は異なります。自動車検査員は、指定自動車整備工場（民間車検場）にて、整備士による点検整備を終えた車両が保安基準に適合しているかどうかを検査、判断する業務を行います。
車両の受け入れ、車検検査、保安基準適合証への証明を行う書類の作成や保管、検査に関する業務の監督や指導、事故防止対策、検査設備の管理などが主な仕事内容です。
自動車検査員の受験資格と取得方法
整備未経験の方は、どんなに勉強してもすぐに自動車検査員の資格を取得することはできません。自動車検査員の資格試験を受験するには、下記の条件を満たしている必要があります。
・最低でも2級自動車整備士以上の資格（2給シャシ自動車整備士を除く）を所有していること
・整備主任者としての実務経験が1年以上あること
・直近の整備主任者研修を受講していること
・勤務先が「指定自動車整備工場（民間車検場）」であること
※「指定自動車整備工場（民間車検場）」の指定を受けようとしている場合も可
条件をすべて満たした上で、地方運輸局長が行う自動車検査員教習を受講し、修了試験に合格すれば、自動車検査員の資格を取得できます。試験内容は整備、検査、完成検査の実務など多岐にわたっており、実務上必要な知識全般です。整備士資格と同様に、しっかりと勉強し試験に挑みましょう。
自動車検査員の仕事内容とは
自動車検査員の主な仕事は、資格の名前の通り、自動車の検査です。しかし、その業務は検査だけではありません。自動車検査員の仕事は、大きく分けて5つあります。
完成検査
検査員が行う自動車の検査業務を、完成検査といいます。完成検査とは、計測機械、テスターなどを使い、自動車整備士によって整備された自動車が車検の保安基準に適合しているかのチェック等を行うことです。その自動車が検査基準に合格し、道路を走ってよいかどうかを判断することが最終的な目的です。そのため、正確な判断基準を覚えることが求められています。
業務指導・監督業務
経験や実績を重ねた検査員は、自動車検査員として就業している人々をまとめ、検査の方法などを監督・指導することも仕事のひとつです。事故防止のための指導をしたり、完成検査の結果について、自動車の持ち主に説明することも自動車検査員の仕事になります。
書類の作成・保管
完成検査を行った後は、検査結果を書類にまとめて、自動車の保有者に確認してもらいます。このような検査に関わる書類の作成も、検査員の仕事のひとつです。作成した書類の中には、整備工場側で管理しなければならない書類もあるため、紛失したり、流出してしまわないよう厳重に保管することも自動車検査員の務めです。
設備の管理
自動車の検査を行う際には、さまざまな検査設備を使用します。設備に故障が生じてしまうと、正確な検査結果が出ないこともあるでしょう。そのため、常に正確な検査が行えるように、検査員が検査設備の管理を行います。故障が生じた場合は、すぐに修理や買い替えを行うことが必要です。
法令や通達などの情報の把握
法令の改正や、国からの通達によって、検査基準などが変更されることがあります。そのため、最新の情報を常々把握しておく必要があります。新しい情報を検査に反映させていくことが重要です。適切な情報の管理も自動車検査員には求められます。
自動車検査員の強み
自動車検査員の資格を取得することで、本来国が行うべき業務を代行する立場となります。そのため、みなし公務員としての待遇を受けることになり、大きな権限と責任が与えられます。車検を行う指定自動車整備工場に、自動車検査員は必須の存在です。一定の需要が見込めるとともに、整備士からのキャリアアップにも繋がります。
自動車検査員になるための教習と試験は各地方運輸局が行うもので、4日間にわたって行われます。基本となる知識はもちろん、自動車検査員の実務上必要な知識も出題され、決して簡単な試験ではありません。
前章で説明した受験資格もあり、取得のハードルが高いため、検査員資格を取得することによって、今後さまざまなチャンスが広がっていくと考えて間違いありません。就職や転職をするにあたっても重宝される理由になります。将来のことを考えるのなら、自動車検査員の資格を取得するメリットは大きいでしょう。
みなし公務員とは？
みなし公務員とは、実際には公務員ではありませんが、公務に準じる公共・公益性があるものや、公務員の職務を代わりに行う職種が該当します。刑法の適応は、公務員と同等です。仕事上で知る秘密を保持する守秘義務がありますし、お客様から金銭等を受け取って、違法改造車や保安基準に適合していない車などの検査結果を偽る行為は収賄罪となります。
最後に
以上、自動車検査員についてご紹介しました。この記事を読まれた方は、整備士の転職は何歳まで可能？整備士と年齢について解説！についても一読することをおすすめします。
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